Pressure
高血圧症
こんな症状ありませんか?
- めまいがある
- 吐き気がある
- 耳鳴りが頻繁にある
- 後頭部を中心に頭痛がある
- 不安感・イライラが多い
- 何もしていなくても動悸がする
- 頻尿気味である
- 胸の圧迫感がある
高血圧症についてと原因
日本人の約4300万人が高血圧症です。高血圧症の定義は、休息時でも血圧が140/90mmHg以上の状態が持続している病態を指します。
高血圧症の多くは原因が特定されない「本態性高血圧症」です。ただ発症要因として、遺伝的な傾向(高血圧の親を持つなど)や生活習慣(喫煙、過度な塩分の摂取、肥満、運動不足、ストレスなど)が重要な役割を果たしていると指摘されています。
それ以外にも、腎臓や内分泌系統、または心臓や血管の異常が引き金となり高血圧を引き起こすケースもあります。これが「二次性高血圧症」です。
高血圧症の治療で血圧を下げるのは必要ですが、薬剤による急な降圧は危険です。
血圧は徐々に下げて、正常な範囲に調節する必要があります。
血圧の正常値
- 収縮期圧
- 100~130mmHg
- 拡張期圧
- 84mmHg以下
血圧の管理
- 01
生活習慣の改善
減塩(6~7g/日) - 02
体重管理(肥満の是正)
- 03
降圧剤(くすり)の内服
心臓・腎臓や脳の血管の負担を出来るだけ軽減する薬を選択します。勿論副作用にも注意を払い個々の患者さんに合った薬の選択が大切です。
降圧剤の種類
- 腎臓の昇圧ホルモンを抑える薬(ARB、ACE抑制剤)
- 血管を拡げて血圧を下げる薬(カルシウム拮抗剤)
- 体液量を減らして血圧を下げる(利尿降圧薬)
- 心臓・血管の緊張を抑える薬(βー受容体遮断薬)
- 脳に働いて血圧を下げる薬(α受容体遮断薬)
- 心の緊張をやわらげて血圧を下げる薬(抗不安薬)
など、単独投与、又は併用投与により血圧管理に役立てます。
降圧目標
- 収縮期圧
- 100~130mmHg
- 拡張期圧
- 84mmHg以下(一般の目標です)
降圧の流れ
Flow01血圧管理
まず、血圧を正常範囲に管理することが重要です。
Flow02塩分を控える
塩分を極力抑えてください。日常の食生活で塩分を1日6~7gに抑えることは困難ですが、しっかり減塩出来たら十分な降圧効果が得られると考えます。
Flow03血圧を自宅で測定
血圧の自宅測定をしましょう。自宅での自己血圧測定をお勧めします。病院・医院ではどうしても高目の血圧になってしまう方が多くみられます。又、自宅で血圧測定する時は出来るだけ測定する環境を同じにしましょう。測定時は必ず5~10分間休んで(臥床)から2回続けて測定してください。血圧計の精度に疑問があれば受診時持参して頂いて、医療機関で測定誤差があるか確認してください。
降圧剤について
降圧剤の中では(A)ARB/ACE拮抗剤、(B)カルシウム拮抗剤の薬剤の投与頻度が多くみられます。
- A
ARB/ACE拮抗剤
ゆっくり血圧を下げます。2~4週で血液内濃度が安定します。心臓や腎臓など循環器系臓器の機能保護効果も確認されています。
ARB/ACE拮抗剤は、効果的で単独又は、(B)カルシウム拮抗剤と併用されることも多く、より一層多臓器に好影響を与えると考えられます。いかに多臓器保護を同時に行えるかが高血圧症の管理の目標となっています。
- B
カルシウム拮抗剤
血管拡張作用により、血圧を下げます。急な降圧作用は時に動脈硬化性病変を悪化させるので、原疾患や合併症にも注意を払いゆっくりした降圧を図ります。
カルシウム拮抗薬では、腎臓の細動脈を平均的に拡張させる作用をもつ薬剤が開発されており、心・腎臓などの臓器保護に有用となっています。カルシウム拮抗剤の中には降圧効果が優れていても脳・心・腎臓などの他臓器保護作用の観点から好ましくない薬剤もあります。個々の患者さんに合ったカルシウム拮抗剤の選択が必要です。
ニフェジピン(アダラート系)、アムロジピン(アムロジン)は降圧効果に優れており、血圧管理が困難な症例にはよいのですが、急な降圧作用・腎臓の輸出細動脈は拡張しないので糸球体内圧が上昇し蛋白尿を抑える効果は降圧作用以外には期待出来ず、逆に腎機能の低下につながる可能性の在る事を承知の上で使用、又は内服してください。
同系統の薬剤でも漫然とした選択をしない・されない意識が医師・患者さんの両者に求められる時代となっております。
好ましい患者さんの治療姿勢
- 01
高血圧症の良好な管理は、毎日の生活習慣の改善にあります。
- 02
減塩・減量が一番大事かつ効果的手段であることを意識する。
- 03
自分の降圧目標を医師と相談・確認。個々で目標値が異なる場合があります。
- 04
投薬を医師まかせにせず、自分が内服する薬について疑問があれば確認する。
- 05
急な血圧降下は時として危険(脳血管・心。腎疾患の悪化)なことがある。
- 06
併発症を有する患者さんは、「心・腎臓・脳・四肢の血管への影響も考慮されて薬剤選択がなされているか否や」と関心を持つこと。
- 07
神経質に為り過ぎてはいけないが、患者さん自身も納得した治療を受ける。