病気のお話

高血圧症のお話

血圧の正常値
  収縮期圧: 100 〜 130 mmHg
  拡張期圧: 84 mmHg以下
     
高血圧症の原因には大きく分けて 2 つあります
     
  1, 本態性高血圧症:原因が1つではなく、いろいろな要素が絡んでいる。
    食事内容、塩分、肥満、生活習慣、動脈硬化、ホルモンなど
  2, 2次性高血圧症:原因が 1 つはっきりした病気がありおこる血圧の上昇です。
    殆どの高血圧症は 1 ) の幾つかの要素が絡み発生する、生活習慣病の代表的疾患と言えます。
     
  高血圧症の治療で血圧を下げるのは必要ですが、薬剤による急な降圧は危険です。
  血圧は徐々に下げて、正常な範囲に調節する必要があります。
     
血圧の管理
  A 生活習慣の改善 減塩( 6 − 7 g/日)
  B 体重管理(肥満の是正)
  C 降圧剤(くすり)の内服
     
  心臓・腎臓や脳の血管の負担を出来るだけ軽減する薬を選択します。勿論副作用にも注意を払い個々の患者さんに合った薬の選択が大切です。
     
  a) 腎臓の昇圧ホルモンを抑える薬(ARB,ACE抑制剤)
  b) 血管を拡げて血圧を下げる薬(カルシウム拮抗剤)
  c) 体液量を減らして血圧を下げる(利尿降圧薬)
  d) 心臓・血管の緊張を抑える薬(βー受容体遮断薬)
  e) 脳に働いて血圧を下げる薬(α受容体遮断薬))
  f) 心の緊張をやわらげて血圧を下げる薬(抗不安薬)
    など、単独投与、又は併用投与により血圧管理に役立てます。
     
降圧目標
  収縮期圧: 100 〜 130 mmHg
  拡張気圧: 84 mmHg以下  (一般の目標です)
     
  1, まず、血圧を正常範囲に管理することが重要です。
  2, 塩分を極力抑えてください。日常の食生活で塩分を 1 日 6 〜 7 gに抑えることは困難ですが、しっかり減塩出来たら十分な降圧効果が得られると考えます。
  3, 血圧の自宅測定をしましょう。
    自宅での自己血圧測定をお勧めします。病院・医院ではどうしても高目の血圧になってしまう方が多くみられます。又、自宅で血圧測定する時は出来るだけ測定する環境を同じにしましょう。測定時は必ず 5 〜 10 分間休んで ( 臥床 ) から 2 回続けて測定してください。血圧計の精度に疑問があれば受診時持参して頂いて、医療機関で測定誤差があるか確認してください。
     
降圧剤について
     
  降圧剤の中では a), b) の薬剤の投与頻度が多くみられます。
     
  a) ゆっくり血圧を下げます。 2 〜 4 週で血液内濃度が安定します。心臓や腎臓など循環器系臓器の機能保護効果も確認されています。
  b) 血管拡張作用により、血圧を下げます。
     
    急な降圧作用は時に動脈硬化性病変を悪化させるので、原疾患や合併症にも注意 を払いゆっくりした降圧を図ります。
     
    b) のカルシウム拮抗薬では、腎臓の細動脈を平均的に拡張させる作用をもつ薬剤が開発されており、心・腎臓などの臓器保護に有用となっています。カルシウム拮抗剤の中には降圧効果が優れていても脳・心・腎臓などの他臓器保護作用の観点から好ましくない薬剤もあります。
    個々の患者さんに合ったカルシウム拮抗剤の選択が必要です。
    ニフェジピン(アダラート系)、アムロジピン(アムロジン)は降圧効果に優れていおり、血圧管理が困難な症例にはよいのですが、、急な降圧作用・腎臓の輸出細動脈は拡張しないので糸球体内圧が上昇し蛋白尿を抑える効果は降圧作用以外には期待出来ず、逆に腎機能の低下につながる可能性の在る事を承知の上で使用、 又は内服してください。
    同系統の薬剤でも漫然とした選択をしない・されない意識が医師・患者さんの両者に求められる時代となっております。
     
    a) のARB/ACE拮抗剤は、効果的で単独又は、 b) カルシウム拮抗剤と併用されることも多く、より一層多臓器に好影響を与えると考えられます。 いかに多臓器保護を同時に行えるかが高血圧症の管理の目標となっています。
     
好ましい患者さんの治療姿勢
     
  1, 高血圧症の良好な管理は、毎日の生活習慣の改善にあります。
  2, 減塩.減量が一番大事かつ効果的手段であることを意識する。
  3, 自分の降圧目標を医師と相談・確認。個々で目標値が異なる場合があります。
  4, 投薬を医師まかせにせず、自分が内服する薬について疑問があれば確認する。
  5, 急な血圧降下は時として危険(脳血管・心。腎疾患の悪化)なことがある。
  6, 併発症を有する患者さんは、「心・腎臓・脳・四肢の血管への影響も考慮されて薬剤選択がなされているか否や」と関心を持つこと。
  7, 神経質に為り過ぎてはいけないが、患者さん自身も納得した治療を受ける。

リウマチ疾患・膠原病のお話

【リウマチ・膠原病】
  こんな症状ありませんか?
   
  ・朝手指のこわばりがある。
  ・皮膚に発疹・紅い膨らみがある。
  ・光にあたると発疹・紅い膨らみができる。
  ・両ほほが蝶の羽の形に紅くなる。
  ・原因のはっきりしない発熱(微熱)がでる、又は続く。
  ・関節・筋肉が痛い。
  ・全身がなんとなくだるい、疲れる。
  ・体重が減っていく。
   
【代表的な膠原病疾患】
   
  ・全身性エリテマトーデス(SLE)
  ・ベーチェット病
  ・シェーグレン症候群
  ・血管炎症候群
  ・多発性筋炎・皮膚筋炎
  ・慢性関節リウマチ
  ・強皮症
  ・スティル病
  ・混合性結合組織病(MCTD)
  ・多発性結節性動脈周囲炎
  など
   
リウマチ疾患について
  リウマチは単に関節変形を主体とする病気ではありません。肺・心臓・腎臓・消化器・全身の血管系の異常を併発し、又自己免疫能力の低下を招く全身疾患です。
  近年、早期の治療がその後の経過に大きく影響するため、早期から積極的な治療を開始することが大切です。
   
1、 鎮痛消炎剤
2、 抗リウマチ薬・金製剤
3、 ステロイド剤
4、 免疫抑制剤
5、 メソトレキ−セ−ト
6、 抗サイトカイン治療薬(内服薬、注射薬)
7、 白血球除去療法
   
  など、病気の段階・程度に合わせて、治療法を選択・併用します。又、治療の副作用にも充分注意が必要です。
  最近、注目されている抗サイトカイン治療は、効果的である一方、患者さんの免疫能が可なり抑制されますので感染症が大きな課題です。又、免疫の異常応答で出来る感作白血球を血液から吸着にて除去する治療の保険適応が認められました。潰瘍性大腸炎(アレルギー・炎症性腸疾患)には既に行われています7)白血球除去療法です。治療にかかる時間は約1時間で1週間1回、1ク−ルが5回、症状により10回まで行うことがあります。この治療により、さらにステロイド剤・抗リウマチ薬・坑潰瘍剤などの薬を減量又は中止する事が出来る患者さんもいます。
   
膠原病・アレルギ−疾患について
  自己免疫システムの異常により、多彩な病気が起こります。
   
  例えば、身近なものでアレルギ−性鼻炎・結膜炎・蕁麻疹などからはじまり、気管支喘息・気管支炎などの呼吸器疾患・慢性炎症性腸疾患・甲状腺疾患・などのアレルギ−疾患・免疫疾患・内分泌、代謝異常などいろいろあります。
  又、自己免疫応答の故障で全身性の神経から心血管系・肺・腎臓・肝臓・すい臓・皮膚・眼などの多彩な臓器障害を引き起こします。早期に発見し、きちんと検査・治療を受けないと予後が悪く、又大変つらい思いをします。
  しかし、多くの自己免疫疾患は最初からいろいろな症状が出現することは少なく、経過を追ってよく観察し、正しい診断と経過にあった治療・日常生活上での注意必要とします。経過を診ることで、いろいろな症状・所見・検査結果がそろい確定診断できる例が少なくないので、患者さんも慌てずに診療に臨むようにしましょう。
  治療は、日常生活上守るべき注意、ストレスの回避、周囲の理解などが必要です。内服治療では、各患者さんの症状を緩和する対症療法、ステロイド剤免疫抑制剤などを併用します。病状が急激に悪化する場合には入院の上、厳重な管理が必要になります。疾患によっては特定疾患の申請を行い医療費が軽減されます。